第1章

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このように接近戦を主にした模擬戦が数多く行われる。 しかしお互いが身体強化した状態だと、力の差が激しい場合はすぐ決着するが、似たような実力だと決め手に欠ける。 そこで登場するのが、瞬時に繰り出すことのできる比較的規模の小さな魔法だ。 ほぼノーモーションから繰り出される魔法で、相手に隙を作り出したところで大きな魔法を使って決着するといった感じである。 接近戦で決着する場合もあるので一概には言えないが、一対一の模擬戦だとそういう決着が多い。 「さてと、行きますか」 「おー手加減はしないからな」 そうこうしていると、あっという間にシロとセキの番がまわってきたようだ。 ステージの上に上がり向かい合う2人。 「それでは………始め!」 教師の声とともにセキが駈け出す。 その両足が僅かに光ると先ほど対戦していた2人とは比べものにならないほどのスピードでシロに向かって突き進む。 対するシロは、向かってくるセキに向けて右手を軽く振る。 するとシロの右手から僅かに光る刃物のような物がセキに向かって飛んでいく。 セキはその刃物を身をひねってかわすと、そのままシロの顔に向かってこぶしを振るう。 シロもそれを後ろに身をそらして避ける。 しかしセキの攻撃はそれでは終わらず、ふるった腕とは逆の手をシロの腹に向かって翳すと、先ほどシロがやったように光る球体である魔力を放つ。
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