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「ふむふむ…なるほど…」
体内に流れる魔力を感じ取り、布団圧縮袋に詰めてタンスに仕舞うイメージか。
思いっきりお堅い言葉で書いてあったから正直最初意味分からなかったけどね。
さらに応用として光魔法によって姿を誤認させる方法もある、と。
応用書を読んでみるしか無いね。
目当てのページを見つけ、踊り狂う心臓を必死で押さえつける。
冷静になれ、ボク。
まだまだ急ぐような時間じゃないだろう?
どうせ明日以降にしか使えないし。
読み進めていく内に原理が良く分からず使っているって言うことが解った。
科学が進んでないから、光の屈折率なんかは考えついてないんだろうと思うけど。
ただイメージとしては光を反射させて、後ろの風景を写す感じらしい。
動いたら使えないんじゃない?
それとも感知が巧くなると周りが見えるようになるの?
そこまで行ったら人間辞めたと叫んでもいいと思うよ。
ともかくイメージは解った。
後は実践有るのみ!
体に魔力を纏い、薄皮一枚残して圧縮した魔力を体の奥底に仕舞い込む。
そこから薄皮一枚残した魔力に背景を写すイメージで…
そこまで進めた時パンッと言う軽い音が響き、右肩に熱を感じた。
つづいて体内から何かが抜けるように感じ、目の前が赤に染まる。
おそるおそる右肩に視線を向ける。
吹っ飛んでねじり切れたモノ、覗く白、流れる赤。
激痛と共に意識が黒へ。
真っ黒になる最後の瞬間不気味な本に左手が触れ、本が光るのを感じた。
『待っていたよ』
そしてボクは意識を手放した。
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