26人が本棚に入れています
本棚に追加
『君の理解が追いつかないなんて私にはどうでもいいよ、私は私の世界が壊されないように調整するだけだから』
こいつはナニヲ言っている?
「意味が解らないね」
ウソダ
『本当は解っているんだろう?』
いつの間にか目の前のナニかはヒトの形を取り、不安定な音も男性特有の、だけどどこか透き通った声に成っている。
「解りたくないね」
解っては居る。
でも理解はしたくない。
『モノを解する事と理解は別だと言うか』
ボクはコロされるのか?
「ナニがナンデモ嫌だね、まだナニもしてないと言うのに」
こんな終わりで、後悔が残らない訳がないだろう。
『最後の質問だ、輪廻転生に戻るか、永劫の闇、どちらかを選ばせてやろう』
死ぬのは嫌だ。
永遠にさまようのも嫌だ。
神と宣うナニかの手が光るのが見える。
それは黒で。
それは白で。
色々な色が混ざり、かと思えば無色で、先程までの不安定な姿と何処か重なって見えた。
「ボクの人生だ!誰かに、ナニかに決められた選択肢なんて選ばない!』
『質問の答えは聞いた、さらばだ、理を外れたモノよ』
神の右手から発せられた光がボクを貫く。
そしてボクは元の部屋に戻っていた。
最初のコメントを投稿しよう!