鍛錬

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『ほっほー!ヒトの魔法というのは大きく分けて三つあるのぅ!一つ、自然を生み出す。二つ、自然を操る。三つ、何かに作用する』 火やら水やらを生み出す、元から有る火やら水やらを動かす、治癒魔法という解釈で間違いは無さそうだ。 『ほっほー!理解出来ているようじゃな!この三つにある共通点があるんじゃのぅ…それが何か解るか?』 もちろんソレは。 「詠唱という言葉の羅列」 『ほっほー!大正解じゃ!そしてそれは実際には必要無いものじゃのぅ!お主はもう解っておるようじゃがのぅ!』 当たり前だ。 山を上る途中、怪我をしたときもボクは詠唱をしていないし、部屋で腕が吹っ飛んだときもボクは詠唱をせずに魔力を動かした。 要はイメージなんだろう。 そしてそれを具現化させる、と言う強い気持ちが魔法と言ってもいいのかも知れない。 『詠唱が本当に必要なら儂ら魔物と呼ばれるモノはどうやって魔法を使う?そうじゃのぅ!結局は意志が全てだという事じゃのぅ!ほっほー!』 無駄な時間だったか? 『そしてヒトの持つ魔法と龍の持つ魔法もまた違う、それは生態から姿まで全てが違う生き物だから当然じゃのぅ!ほっほー!』 それは是非とも… 「知りたいなぁ…」 きっと今のボクの顔は酷く歪んで居ることだろう。 まるでボクの心を映し出すように。
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