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「もういいから黙っててよ!」
恥ずかしさから語気を荒げてしまうボクはまだまだ子供なのかも知れない。
子供でもなければあんな行動は取らないだろうけど。
『ほっほー!そう怒るでない、余計子供のように見えるぞ?』
解ってる事を一々言ってきてウルサい老いぼれだ、全く。
そんな風に思いながらも、口が三日月を描いてしまう。
「もういいよ、とりあえずボクの練習につき合ってくれるんでしょ?」
『ほっほー!勿論!的にするなりなんなりするがよい!』
言質も取ったし、使ってみたかった魔法を全部放ってみよう。
◇ ◇
とりあえず解った事が二つ有る、それはボクが体術を使えないと言うことと、思ったよりも魔力が有ると言うこと。
今まで【戦う】事とは無縁だったボクには体術が出来なかった。
ただ必要な土、火、水、風の四つは使えたし、雷も使えた。
光と闇は使えなかったけど、治癒することと姿を隠す事は出来たから光と闇で攻撃する事がイメージ出来ないのかもしれない。
これは誰かの魔法を見れば何とかなるとして、一つ気になった事が有る。
それは全て混ぜたらどうなるのか。
もし出来るとしたら擬似的に核爆発を起こすことも可能で…
興味本位で今から発動してみようと思う。
まずは土で金属を操り密室を彼の足下に形成、次に水を注入。
密室の内側に雷を這わせ、水を電子分解。
後は点火と言うところで、以前聞いたことのある音が今度は左肩と股の合間から聞こえ、貧血の症状のように視界が真っ暗になる。
「あぁ…畜生…またこれ…か…」
そしてボクの意識は闇へと落ちた。
白でも無い純粋な闇へと。
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