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世界が変わるのをこの目で見たボクにとって、級友達の常識の変化はあり得ない物だった。
魔法が当たり前で、科学は妄想。
今まで科学の世界で生きてきたボクとしては、彼等の頭がおかしくなったのではないかと思った程だった。
だって魔法は妄想で、厨2病で、ゲーム脳で、漫画の世界で、ボクが願い続けた常識なんだから。
だから、喜びの奇声を上げなかったボクを、ボクは賞賛したい。
それでも油断は禁物、もしかしたらどっきりなのかも知れないし。
「それでは基本的な魔法を、リサさんに使って頂きましょう」
と、教師に名を挙げられたのは黒髪から金髪へと変貌を遂げた彼女だった。
いや、まぁ他にも金髪は居るのだけれど。
むしろ黒髪はボクを除いて皆無なのだけれど。
そしてアイカという名前だったはずが、リサへと変貌を遂げている事を驚いたボクにとって次の変化はさらに嬉しい物だった。
「火よ、集え」
そう言った彼女の手には青い炎が浮かんでいた。
「イイィィィヤッッッッフゥゥゥゥゥゥ!魔法サイコー!!」
そしてボクは教室から追い出された。
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