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「全く…君はいくつに成ればもう少し大人しく出来るんですか?大体授業中に…-----
全く、この教師は歩く間も説教をするとはどんだけ時間がもったいないお化けなんだか。
大体魔法が無い世界に生まれ育ったボクにとって産まれて初めての魔法が、いつも憧れていた可憐な彼女によってもたらされたのだから仕方が無いだろう。
それも蒼炎という、魔法の中でも珍しいと思われる物なのだから、その感動は計り知れないと言うことを理解して頂きたい。
いや、むしろ理解しろ。
出来ないのならしんでしまえ。
出来ても出来なくても死んで頂いて結構ですが。
ボクの頭に大きなこぶを二つも作る人物にはきっと理解出来はしないだろうが。
「聞いていますか?」
「はい、聞いていません」
ゴッ、という音と共にボクの頭に突き刺さる教師の拳。
じわりとにじむ瞳の汁。
瞳の汁ってちょっとヤラシイ。
いや、そんな事考えてる場合じゃない。
「またぶった!父さんにも殴られたことないのに!」
「あなたの親は数年前に亡くなったでしょう?いい加減周りが触れにくいボケは辞めなさい、リエリ・クラウド生徒」
ボクの名前も過去も変わりはしないんだね。
一番変わって欲しかったのに。
特に性別が。
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