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「ところでリエリさん、先程叫んでいましたが授業の邪魔はしないでいただけると私は嬉しいのですが…」
「……」
ボクは口を閉ざす。
「聞いていますか?」
「……」
一度決めた事はやりきる所存で御座います。
「聞いていないのなら時間が許す限り正座させようかと私は思います」
「……」
まだボクに無理を強いようと言うのかね。
「そちらがそのつもりなら、明日の朝まで正座させた上で説教しますよ?」
「生徒と一夜過ごすなんて先生やーら…ハッ!謀ったな!?」
ゴッという聞き慣れた音が体の芯を抜けていく。
本日五度目の衝撃に流石のボクもちょびっと漏れた。
何がって?言わせるなよ。
「次言ったら本気で殴る」
「ごめんなさい」
プライド?埃の間違いだろ?
自分で決めた事すら貫くことが出来ないとは…なんてボクは意志が弱いんだ。
土下座しながら涙でも流せばこの教師に汚名を被せる事が出来るかな…
「はぁ…全く…次からこのような事が無いと信じて今日の所は帰ってもいいですよ」
「それが最善の判断だと思いますよ?無駄ですし」
説教されたって脳内妄想していればすぐに時間過ぎるし。
「はぁ…それでは気を付けて帰りなさい。といっても寮ですから危険も無いでしょうが」
校内で危険が有るなら貴方達の給料返して貰いたい。
「あーそれから、私の名前はエル・アソートです。二度と忘れないように」
そういって彼は、異性なら否応無しにときめくだろう笑顔を残し、去っていった。
まぁ、ボクはときめかないのだけれど。
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