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いきなり指名された魚人は、ビックリしてオロオロと不審な動きをし出した。
気持ち悪い。
「そなたは、魔王の側近の息子だろう?」
男は嬉しそうに魚人に問いかける。
魔王の側近の息子なんてオレは知らない。
思わず魚人を見ると目が合った。
人違い(魚人違い?)だと思ったが、魚人は不審な動きをピタリと止めると身体中から気持ちが悪いほど汗が噴き出した。
「…すんません」
ガックリ肩を落として魚人が小さく呟いた。
え?ホントなの!?
「では、私は失礼しよう。リュイよ、また会おう」
男が楽しそうに微笑むと、オレと魚人のいる場所だけに突風が吹き、目を開けたときには男の姿は跡形もなく消えていた。
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