初めての甘い夜

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通りを歩きながら、富川さんは私の手を繋いだ。 私の手は、富川さんの大きな手に包まれる。 ポーッとして、雲の上を歩いているみたい。 富川さんが片手を挙げ、タクシーを停める。 二人で一緒にタクシーへ乗り込んだ。 「吉祥寺の方にお願いします」 運転手に行き先を告げた富川さんは、私の手をぎゅっと握る。 私はドキドキしながら、どこか実感がなく、夢の中にいるようだった。
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