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けれど富川さんは、私のお願いをあっさり却下した。
「ゴールデンウィークはどこも混むし、家でゆっくりしたいな。どこか行きたいなら、友達と行ってきなよ。僕に遠慮しなくていいから」
そんなふうに言われてしまって。
私は内心のショックを隠し、曖昧に微笑むのが精一杯。
嫌われるのが恐かったのだ。
しつこく懇願して、うっとおしいと思われたくなかった。
面倒くさい女だと思われなくなかった。
ワガママなんて絶対に言えない。
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