プリンセスの毒

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夏雄君の表情には不快さが表れていたが、私の言葉は止まらない。 「あの子は男の人にチヤホヤされるのが好きで、いろんな男の人の気を引きたいだけなの!」 「それは言い過ぎじゃないですか?」 「どうして分からないの? 今までの態度を見てれば分かるじゃない! 夏雄君だけは引っかからないと思ってたのに!」 「責めるなら俺だけにして下さい。人の悪口を言う優衣さんなんて見たくないです」 毅然とした夏雄君の言い方に深く傷ついた。 私はもう何も言えず、涙さえも出でこない。 「俺が悪いのに偉そうに言ってすみません。今日は帰りましょう」
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