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私は胸に手を当てて呼吸を整えながら、必死で主張した。
「たまたま風邪をひいただけで、それほどの無理はしてないです! すみません、ご心配おかけして」
「謝らなくていいから、早く元気になりなさい。身体は大事にしないと」
社長は優しい顔で強く言った。
私は自分が情けなくなる。
会議で社長にまで心配をかけ、まともな発言も出来ない自分が……。
そして夏雄君は、夏雄君だけは、一度も私を見ようとしなかった。
俯いてばかりの夏雄君と、挑むように私を見つめる愛理ちゃんは対照的だった。
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