101人が本棚に入れています
本棚に追加
杉崎君がフゥーと大きく息を吐いた。
「社長の言葉は嬉しいんですけど……完璧、俺の私情で。公私混同なんです」
ドキリとした。
まさか杉崎君は会議の場で、すべてを話すつもりなのだろうか……。
事情をよく知っている田中部長や富川さんも、心配そうに杉崎君を見つめている。
愛理ちゃんだけは、ふてぶてしく堂々とした顔……。
社長はこの緊迫した雰囲気を大声で一蹴する。
「公私混同って、愛理ちゃんにフラれたことか? まだ引きずってるなら、潔く諦めろ! 失恋くらいで、男が泣きそうな顔なんてするな」
最初のコメントを投稿しよう!