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杉崎君は顔を真っ赤にして、社長に言い返す。
「社長には俺の気持ちなんて、分かんないですよ! 本音で話したって、私情だから無意味なんです!」
言い放った杉崎君は、不貞腐れたようにソッポを向いた。
社長は顔色ひとつ変えず、ゆっくりと杉崎君の傍まで歩み寄る。
私はヒヤヒヤしていた。
杉崎君の言葉は、社長の怒りに触れたんじゃないかと……。
激しい叱責と共に、杉崎君の退職にまで発展したらどうしよう……。
だが私の心配とは裏腹に、社長は温かい眼差しで、杉崎君の肩をポンポンと叩いた。
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