会議での波乱

20/25
前へ
/25ページ
次へ
「杉崎の気持ちなら、私だって分かるぞ」 社長に言われ、杉崎君はポカンとした表情になる。 「私だって若い頃は何度フラれたことか。外見も良くないし、金も地位も無かったからな」 そう言って笑う社長は、昔を思い出す遠い目をした。 「フラれるたびに悔しくて情けなくて。いつか見返してやる!って気持ちで必死に働いた」 社長は視線を杉崎君に移し、悠然とした笑みを浮かべて言う。 「今じゃ私をフッた女たちにも感謝してるよ。見返したい悔しさが発奮材料になったからね。この会社を興す、原動力の一つにもなった」 社長はここまで話すと、もう一度杉崎君の肩を叩いて元の席に戻った。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加