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「杉崎の気持ちなら、私だって分かるぞ」
社長に言われ、杉崎君はポカンとした表情になる。
「私だって若い頃は何度フラれたことか。外見も良くないし、金も地位も無かったからな」
そう言って笑う社長は、昔を思い出す遠い目をした。
「フラれるたびに悔しくて情けなくて。いつか見返してやる!って気持ちで必死に働いた」
社長は視線を杉崎君に移し、悠然とした笑みを浮かべて言う。
「今じゃ私をフッた女たちにも感謝してるよ。見返したい悔しさが発奮材料になったからね。この会社を興す、原動力の一つにもなった」
社長はここまで話すと、もう一度杉崎君の肩を叩いて元の席に戻った。
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