86人が本棚に入れています
本棚に追加
「もちろん覚えてるよ。あえて名字で呼んだから」
「どうしてですか?」
社長は愉快そうに私を見つめて尋ねる。
「どうしてだと思う?」
「分かりません。でも、愛理ちゃんとは扱いが違うんだな、ってショックでした」
「新人と同じ扱いがいいの?」
「そうじゃないんですけど……。でも女性として、ちゃん付けに相応しい若さや可愛さは無いんだって、少し落ち込みました」
私の言葉を聞いた社長は、悠然と笑って断言する。
「優衣ちゃんは可愛いよ。まだまだ若いし。ただね、あの時は別の意味でハッパをかけたかった」
最初のコメントを投稿しよう!