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田中部長の正面に座ろうとした私を、潤也が社長の方へと促す。
「優衣ちゃんは、そっち。社長の前」
そう言って潤也が田中部長の前に座ったので、私は恐る恐る社長の正面に座った。
何年も勤めてきて、こんなに緊張する場面は初めてのこと。
私は高鳴る鼓動を静めるのに必死だった。
「とりあえずビールでも飲むか。酔う訳にはいかんが、一杯ぐらいなら平気だろ?」
社長の言葉に反対する者はいない。
座敷に瓶ビールとグラスが四つ運ばれ、私も勧められるままビールを口にした。
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