第21話

真実の追及

私は潤也に顔を向け、「ありがとうございます」と頭を下げた。

社長は満足げに笑みを浮かべるが、すぐさま渋い表情に変わって言う。

「だけど、小宮山の言ったことが事実なら問題だな。私はずっと、みんなを家族のように信頼してやってきたんだ」

「あの社長……。私にはお話がよく分からないんですけど、一体何の事でしょうか？」

田中部長が困惑の色を隠せず、遠慮がちに尋ねた。

「うむ。このまま何もなければいいんだが……。とにかく田中部長は、私がさっき言った通り、ちゃんとチェックするように」

社長はそう言ったあと、田中部長に事情を説明した。

田中部長は驚き、動揺していた。