第22話

二人の帰り道

けれど、私の願望は呆気なく打ち砕かれる。

「今日はお疲れ！　ゆっくり寝ろよ」

そう言って潤也は、再びタクシーに乗り込んだ。

私の部屋に寄る気配など微塵も見せず、当然のように。

タクシーのドアが閉まり、私たちは窓越しに見つめ合う。

潤也は曇りのない笑顔。

私も笑顔を作ろうとするが、頬は引きつっていた。

潤也が「じゃあね！」と片手を上げた直後、タクシーは走り去る。