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「どこが間違えてるの……?」
緊張のあまり、私の声は微かに震えた。
「ここの数字ですよ! 3300じゃなくて3030ですよね?」
まるで後輩を叱るような、愛理ちゃんの口調。
私は真実を知っていても、いや知っているからこそ、余計にドキドキした。
「そうね。正しい数字は3030ね」
「優衣さん、しっかりして下さいよー。数字のミス、三度目ですよね」
愛理ちゃんが部屋中に響き渡る声で言った時、田中部長が立ち上がった。
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