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社長は両手で私を制すと、自ら四つのグラスに麦茶を入れてきた。
「すみません」と恐縮する私たち。
社長は鷹揚に笑って言う。
「お茶出しくらい私がやるから。いつかこの会社が大きくなって、秘書でも雇えば別だけど」
「近いうちに実現できますよ! 駅の仕事が上手くいけば、夢じゃありません」
田中部長が実感を込めて言い、社長は笑顔で頷いた。
今はまだ、四人の雰囲気は和やかで。
“嵐の前の静けさ”という言葉がピッタリだった。
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