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私の言葉を聞いた潤也が追及する。
「何となく想像はつくよ。『もう少し話したい』とか、『夏雄さんの部屋に行きたい』とか、愛理ちゃんが甘えながら言ったんだろ?」
誘導に近い潤也の言葉。
それをきっかけに、ようやく夏雄君は具体的に話し出す。
「甘えながらじゃありません。その前から真剣に、深い話もしてたんです。俺も、もう少し話したかったし、終電に近い時間だったし……。それで、“部屋で話そう”って事になったんです」
「そうか……」
潤也は短い相槌を打ったきり、あとが続かない。
私はまっすぐに夏雄君を見つめ、直球で尋ねた。
「その日から夏雄君は、愛理ちゃんを好きになったんだよね? 今も好きなの?」
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