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――歩いているうちに夕陽
が沈んで園内の街灯が道を照
らす。僕は何も言わずに手を
引く伊織の背中を見てた。
行き交う人達の楽しげな笑
い声とすれ違いながら僕は不
安になっていた。今、伊織は
どんな顔をしているのか、い
つも笑っている伊織が怒って
いるのかと思うと手を振り解
いて逃げ出したい気になる。
「伊織?」
どこまで行くのか聞いても
答えようとしない伊織に懲り
ずに声をかけた。
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