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ついさっき、あれほどキスされないように気を付けなくちゃって再度言い聞かせていたというのに......!!
ちょっと待って!
もしこいつとキスしたってことがおじいちゃん達にバレちゃったりしたら、私......この頭がおかしい人と結婚しなくちゃいけないってこと!?
想像しただけで、サッと血の気が引いていく。
「なっ、なんだよ!?」
こっちの事情を知らない彼は、大きな声を出したり、呆然と自分を見つめる私を不思議そうに見つめてくる。
「ちょっと美鈴ー!!」
そんな時、聞こえてきた声にすぐに振り返ると、心配そうに表情を歪ませた優里亜が駆け寄ってきた。
「ゆっ、優里亜!」
優里亜の顔を見た瞬間、どっと身体中の力が抜けてしまい、駆け寄ってきた優里亜に身体を預けた。
「大丈夫!?ケガは!?」
「ケガはないけど......でもっ......!」
言葉が続かない。
奇跡的にケガはない。でも唇を奪われてしまった。
きっと優里亜にだって見えていたんでしょ?
私がこいつにキスされてしまった場面を。
優里亜に体重を預けたまま、キョトンと私達を見つめる彼を睨み付けると、彼は目を泳がせ、気まずそうに視線を落とした。
なによ。いまになって罪悪感というものを感じているのっていうの?
悪いけど遅すぎるし、今さら謝られたって許せるはずないじゃない!
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