第二話 『どうしてユーレイになっちゃったの!?』

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いまだに深く頭を下げている彼の姿に、私は覚悟を決め、深い溜息を漏らした。 「分かった。......私に出来ることはなんでもする」 「本当かっ!?」 次の瞬間、バッと顔を上げ満面の笑みを見せる彼に面食らいながらも、急に顔を近付けてきた彼の額を両手で押さえる。 「だけど!絶対にキスはさせないから!!」 「......は?」 私の言葉に、今度は彼の方が面食らった顔を見せる。 この顔っ......! やっぱり【協力する=キスをさせてもらえる】って思っていたわけね! 悪いけど、もう絶対にキスなんてさせないから! 「私の家、古くからある神社なの。だからあなたを助ける方法があるかもしれない」 おじいちゃんに聞けば、なにか知っているかもしれないし。 「えー。それじゃ時間がかかるじゃん。手っ取り早くキスさせてくれればいいのに」 ブツブツと文句を言い出した彼の額に当てていた両手で、思いっきり彼の身体を押し退けた。 「もう二度とキスされたら困るのよ!」 押し退けたものの、私の力ではユーレイといえど、さほどバランスを崩すことなく、二、三歩後退ると平然な顔をして言ってきた。 「別にいいじゃん。俺、ユーレイなんだし」 「そういう問題じゃないから!」
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