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こんな自分なんて嫌だ。
早く元の自分に戻りたい――。
失った数ヵ月間の記憶を取り戻したい。
そうすれば全てが繋がる気がしてならない。……なのに、どうして思い出させてくれないんだよ。
その後も頭の中は、沢山の悩みが駆け巡り、この日はなかなか眠りに就くことが出来なかった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄
「……――翔?」
部屋のドアをノックする音と声に瞼を開けると、いつの間にか寝てしまっていたようで、カーテンの隙間からは朝陽が差し込んでいた。
「翔?起きているの?」
「……母さん?」
寝不足でけだるい身体をどうにか起こし、ドアの方へと向かう。
ドアの向こうでは母さんが何度も俺を呼んでいる。
「ごめん、なに?」
すぐにドアを開けると、母さんはすっかりと身支度を整えた後で、しっかりと化粧もされていた。
だけど見て分かるくらい寝起きの俺の姿を見ては、申し訳なさそうに眉を下げた。
「ごめん、寝てたのね。お母さん、仕事に行くけどひとりで大丈夫かと思って……」
「ひとりでって……俺、もう十八歳なんだけど?」
子供じゃねぇし。
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