第一話 『どうして私にしか見えないの!?』

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だから余計に納得できないのよ。 我が家の変な掟というものが。 間違ってキスしちゃいました~!なんて場合はどうするんだろう。 まさかその場合でも結婚させられちゃっていたとか?? いやいや、さすがにそれは……。でも昔の人は初めて会った人と結婚しちゃうことがあったって昔、おばあちゃんに聞いたことがあるくらいだし、あり得る話なのかも。 ……そう思うとなおさら気を付けなくちゃ。 うっかりキスされちゃって、その人と結婚しろ!なんて言われちゃったら、本当にシャレにならない。 再度自分に言い聞かせながらも、優里亜と他愛ない話をしながら学校へ向かって行く。 そして学校まであと数百メートル地点に差し掛かると、歩く人のほとんどは同じ高校の生徒で、皆歩道いっぱいに広がりながら歩いていた。 「あ、そういえば今日、古典の小テストがあるんじゃなかったっけ?」 「嘘!どうしよう!!全然勉強していないんだけど」 「美鈴、古典苦手だものね~大丈夫?成績」 そうなんだよね。 昔から文系は苦手でどちらかといえば理数系が得意だったりする。 そんな苦手な文系の中でも特に古典は大の苦手なのだ。 今日の古典の小テストのことを考えると、憂鬱な気持ちになる。
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