第1章

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少し前のお話しですが 私の心に 強く 残っていますので 書き留めておきたいと 思い筆をとりました。 それは梅雨明けを待つ 曇よりとした空から 聞こえてきた 鳥の鳴き声から始まります。 甲高く鳴く声に上を見ると二羽の ヒヨドリがカラスに応戦している 様子でした。 懸命に鳴きながら 二羽が力を出し合っているのだろう… 近付いては離れ 甲高く鳴き… これは きっと守りたいものがあるに違いない… 守りたいもの … 命 やはり いました… 地上に ヒヨドリの赤ちゃんです… よろよろと歩きながら 親鳥の声が聞こえているのだろうか… 自転車の下に隠れました。 そうなんです…降りようとしているカラスに懸命に挑んでいたのでした。カラスは諦めたのだろう… 飛び立って行きました。 子供を守り通す尊い親心… 小さな鳥は教えてくれました。 私は弱々しく鳴く事しか出来ない 幼い鳥を植木の陰にそっと置きました… そして空を見てあなた達の 子供は 大丈夫よ! と伝えたい気持ちで いっぱいでした。 でも この事で 一番 驚いたのは 鳥のけたたましい鳴き声にも 懸命に逃げている幼い鳥にも 関心を持たず…いや持てないのかもしれない…自分を守る事だけで精一杯なのだろうか… 行き交う人が多い夕方 … 小規模のスーパーの前での事… これが 人間社会に起きた事だとしたら… 寒々とした気持ちをかかえ家路に付きました。
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