イチ

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[放任] ひくり、と鼻を動かした時、うまそ…嗅いだことのある臭いが物陰からした。 だいたい誰だか予想はつく。 「ベリアスか」 「!!」 名を呼べばニコニコと笑いながら姿を現した。 「違いますよ、大佐様。僕はサボってないですよ」 「あぁ」 悪びれる様子のないベリアス。 「俺はそれぐらいで怒ったりしない。やる事をやってくれてるならそれでいい」 「……」 きょとんとした顔で見てくるベリアスに首をかしげた。 「どうした?」 「…大佐様って変わってますよね~ 普通だったら小言の1つぐらいぶつけてきますよ」 「そうなのか?」 「はい」 「大佐様らしいと言えばらしいですけどね」と続けて悪戯な笑みを浮かべる。 「まぁ、のんびり…自由にやれ」 いざという時、俺がお前達を護るから…。 最後の言葉は飲み込んで、ベリアスの肩をポンと叩いた。 end.
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