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[肉]
※閲覧注意※
振り下ろした剣が相手の首を跳ねる。
1体。
また1体。
次々と鮮血を噴出し、倒れていった。
「バドル大佐飛ばし過ぎデス」
「時間をかけるだけ無駄。さっさと終わらせた方がいいと思うけど?」
「でスガ…」
その後ろに一般兵のMeloとネモが続く。
「Melo、東35m先。ネモは西57m先頼む」
「「了解」」
多分縄張り意識に関しては獅子より虎の方が勝ったんだろう…俺は縄張り意識が高い。
故に、自分のテリトリーを侵されるということに対し、怒りを感じてしまう。
自国の者なら良い。仲間だから。
…どうやら仲間意識の方は獅子が勝ったようだ。
いくら敵意がない侵入でも、アポ無しなら即排除しかねない。
「終了しまシタ」
「同じく」
「あぁ。俺も終わってる」
剣に付着した血を拭い、おさめる。
「肉、食えるな」
「僕は食えないんで。」
「めろも遠慮しマス」
俺は肉を食う。
牛も豚も鶏も鹿も犬も猫も馬も熊も兎もモルモットも鷲も雀も…獣人も人間も、食えそうだったら亜人も。
旨そうな部位をさっき切ってきたが、どうせ自分しか食べない…食べれない。
「帰るぞ」
戦場は素晴らしい食倉庫。
活きの良い"肉"が溢れている。
転がる肉に唾液がいつもより多く分泌されるのがわかる。
ヒトは俺を気味悪がる。
自国の者にも、エゾキタの者にだって…。
それでも俺は肉を食う。
「…不味い」
end.
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