イチ

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[獅子虎の咆哮] すっかり廃れてしまった地面を歩く。 ここも何年か前は草花が生い茂っていたのだろう。今は石と砂利しかない。 「貪りすぎた結果か…」 欲深きは罪深きかな…。 貪欲過ぎるのも、いけない、 無欲過ぎるのも、いけない…。 「面倒だ、」 全部食っちまおうか。 いっそのこと。 「バドル大佐!」 「あ?」 「裏切り者が…!!」 「裏切り、だと…?」 裏切り、最も嫌いな単語。 「ひっ!?」 ビキビキと身体中が鳴り、自我が薄れていく…。 「食い殺してやるッ!!」 ヒトは俺を獅子と呼び、虎と呼ぶ。 実際はどちらでもない。 俺は─── 『成功だ…!!ついにやったぞ…!!』 『君は我々………』 ────俺だ……ッ!! 獅子でも虎でもない猛獣は今日も戦場で咆哮をあげる。 end.
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