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[蜥蜴と獅子虎]
「………」
「………」
無言で見つめあう強面な獣人。
どちらも巨漢で、目付きも鋭い。
「いい加減にしろよ?バドル」
「お前もな、マリア」
ピリピリとした空気が漂い、なんとも息苦しい空間。
「てめぇは黙ってこれを受け取りゃあいいんだよ」
「俺なんかじゃなく、他の者に渡せと言っただろ」
マリアの手には物資の詰まった紙袋。
バドルに突き付けては突き返えされるの繰り返しだ。
「あんまり俺様を苛つかせるんじゃねぇ…
これはてめぇのモンなんだよ。計算が合わなくなんだろーが」
「お前の施しは受けない。俺は俺の所でうまく回している」
「あ"ぁ?自分のまでエゾキタの物資として回してる野郎が威張ってんじゃねぇ!」
マリアの言葉にピタリと動きを止めるバドル。
「………何故知っている」
「聞いたんだよ」
むん、と顔をしかめるバドルにマリアは強引に紙袋を渡す。
「枝ばっかりかじってると腹ぁ下すぞ、どら猫」
「何故知っているっ」
「見たんだよ」
なんということだ…と尾を垂らすバドルにマリアはにやにや笑いが止まらない。
「…今回は不本意だが受け取ってやる」
「チッ…素直じゃねぇな」
「フン…」
end.
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マリアさんとどうしても絡みたかった…!!
同じ獣人で大佐だからねっ
自己犠牲型のバドルに説教してくれればいいな!なんて…\(^^)/
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