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誠side
あの家から逃げ出して早2年。妹の薫は今だに目を覚まさない。
薫、早く目を覚ましてくれ。
兄さんは、白夜は今でも自分を攻め続けているんだ。
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「誠、話しがある」
「兄さん?」
家に帰って来た兄さんに呼ばれ兄さんの部屋へ行くとあの日の様な顔で言われた。まるで、何かを耐えるような、何かに縛られている様な…。
「結婚する事になった。」
あぁ、兄さん無理に笑わないでよ。ねぇ、気付いてる?自分が物凄く泣きそうな顔をしているのに…。
「兄さん、」
「ビックっ、」
…泣きたいなら、
「泣いてよ。」
知ってる?オレは恋愛感情として兄さんが好きなんだ。兄さんの中を俺だけにしたいんだ。兄さんの色んな顔を見たい。でもさ、無理に笑わないでよ。兄さんが無理してるとオレも辛い。そんな、兄さんをオレは見たくない。
白夜side
「な、に言ってんだ?」
一瞬、心が読まれたかと思った。確かに、泣きたかった。やっと、あの家から、鎖から、解放されてこれからだって時に今度は違う鎖に捕まったのだから。だけど、
「俺は泣かない」
コレからが勝負何だ。今、弱音を吐いてどうする。
「…兄さん」
「でも、ありがとう…、」
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あの後、あの女に妹の事がバレた事と、これから俺はあの女の家に暮らすことになって向こうに2人子供がいる事を伝えた。
「オレがそいつらの叔父さんになって兄さんはここに帰って来ないって事?」
「あぁ。悪いな。でも、なるべく帰って来る様にはする。」
「…、」
「誠?」
「たまに遊びに行ってもいい?」
「あぁ。」
「そっか、ありがとう」
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