第1章
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古い学校だ。 車の窓越しに校舎を見上げて、まずはそう思った。 「じゃあ、いってらっしゃい。ちゃんと挨拶してきてね」 「うん。姉ちゃんも挨拶ちゃんとしてきてね」 「分かってるわよ~。じゃあね!」 10個年の離れた姉はまた車を走らせて、来た道を戻って行った。 車が見えなくなるまで手を振り、校舎へ向き直る。 拓也は小学生の象徴であるランドセルを背負い直し、緊張を唾と一緒に飲み込んで足を踏み出した。
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