1141人が本棚に入れています
本棚に追加
/456ページ
素顔の俺を知ってるのは、モデル関係の人たちと家族、中学の信頼できる友達、なんでも知ってる幼なじみだけ。
KIMIは、この春、高校を卒業した。
だけど、俺はこの春、高校に入学する。
事務所の方針で、そういう設定にさせられた。
最初は世の中に嘘をつくのが嫌だった。別に、自分がKIMIだって知られても構わないって思っていたんだ。
でも、世の中に出て、ありがたいことに人気も出るようになったら、素顔で外を歩けなくなった。
俺ができるだけ普通に高校生活を送れるようにするための必要な嘘だと、大人たちは先を読んでいたらしい……もちろん親も。
そして、中学でも俺がKIMIじゃないかと騒がれた時に、他人の空似だと言い切るためだったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!