Secret 6

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 「文香は彼氏とお似合いでうらやましいよ」  「KIMIほどのイケメンじゃないけどね」  話しながら、私は橘くんを目で追ってしまう。  ボールを奪い返したり、思い切り振り上げた脚が長くて、見とれてしまうんだ。  「先輩」  「あれ?授業は?」  不意に現れた神楽くんが、段ボールを持って立っている。  「俺、係で備品取りにパシらされてるとこなんです」  ……地味モードだと日陰が似合うなぁ。本当はキラキラしてるくせに。  「あずさ、誰?」  「この前ぶつかっちゃった1年生の子」  「え?!男の子だったの?」  「そうだよ。あ、言ってなかったね」  文香が後ろに立っている神楽くんを見上げて驚いている。
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