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「文香は彼氏とお似合いでうらやましいよ」
「KIMIほどのイケメンじゃないけどね」
話しながら、私は橘くんを目で追ってしまう。
ボールを奪い返したり、思い切り振り上げた脚が長くて、見とれてしまうんだ。
「先輩」
「あれ?授業は?」
不意に現れた神楽くんが、段ボールを持って立っている。
「俺、係で備品取りにパシらされてるとこなんです」
……地味モードだと日陰が似合うなぁ。本当はキラキラしてるくせに。
「あずさ、誰?」
「この前ぶつかっちゃった1年生の子」
「え?!男の子だったの?」
「そうだよ。あ、言ってなかったね」
文香が後ろに立っている神楽くんを見上げて驚いている。
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