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「神楽くん、授業戻らなくちゃ」
「あ、そうだ。失礼します」
校舎の角を曲がって彼の姿が消えると、私はホッと胸を撫で下ろした。神楽くんより、私の方がハラハラさせられてるのは気のせいじゃなさそうだなぁ。
「神楽くんって背が高いのにもったいないね。なんていうか、地味すぎない?神レベルのKIMIと同じ身長なのになぁ」
よく考えたら、神楽って名前まで生かしきれてるし……。
「でも、穏やかでいい人でしょ?」
「そうだね、橘くんと同じくらい。私もそろそろ戻ろうかな」
文香がわざとらしく立ち上がると、他の男子と入れ替わった橘くんが歩いてくるところだった。
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