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グラウンドを見ても、正直楽しくない。それどころか隣に橘くんがいて落ち着かなくて、私は俯いてタオルハンカチを畳み直した。
「っ?!?!」
前触れなく身体が傾いて、視界に青空が増えた。
橘くんが私を守るように片手を伸ばし、グラウンドに背を向けていて……空の青を背景に、彼が真剣な表情で私を見つめている。
「斗和ー、悪い!」
彼は、片隅に転がったボールを両手で投げ返し、また隣に座った。
「ボーーーーっとしてんじゃねーよ、バカ」
またバカって言われた……でも……。
「ありがと」
嬉しいなんて、私の恋愛感情は壊れちゃったのかな。バカって言われたのに、きゅんとしちゃうなんて。
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