Secret girl

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 「うわぁ、さっむーい!!」  隣で身体を縮こめる彼女の瞳を、点灯しはじめたイルミネーションが煌めかせている。たくさんの人が流れていくのは、この街で1番大きなクリスマスツリーが飾られている通りの方だ。  「お前も、イベント好きなの?」  「好きだよ。だって楽しいもん」  「あ、そーですか」  「橘くんは?」  「嫌いじゃないけど、興味ナイな」  「そっか。……帰ろ?風邪ひきたくないし」  歩き始めた彼女の背中を、立ち止まったまま見つめた。
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