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……そう。
これが、私が福原くんを忘れられない一番の大きな理由。
あの日から私はずっと、福原くんと一緒に帰っている。
始まったのは15日の翌日、16日。
『市ヶ谷さん』
その日も帰りの電車を待つ駅で福原くんに呼び止められた。
『マフラーありがとう。ごめんね、返すの遅くなって』
『あ、こちらこそ……』
マフラーの入った紙袋を渡され、それで終わりかと思ったのに。
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