王への非礼は私の特権

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王を侮辱し、非礼を浴びせるのは私だけでいい。 王が汚されたのなら、上乗せして汚して、王が私だけを考えるように。 私だけを感じるように。 非礼も、侮辱も私だけの特権になればいい。 王の裸体の痣の部分に噛み傷をつけて、その後を舐めながら思う。 王はそれごとに小さくも、低く、甘い声をあげる。 その声に加虐心をそそられる。 その気持ちを止めることはせず、甘く虐めていく。 十年以上前にもなるか。 少年だった私は偶然にも当時若き王に出会った。 私は当時の環境から逃げ出したく、王はそれを察してか私を孤児院への寄付として高額で買い取った。 私はそんな王に興味を持っただけだった。 少年だった私は、汚い大人に犯されて生きていた。 その時も逃げ出してしまおうと表玄関先に駆け寄った時に、王と出会った。 その時の環境から離れられるならと、王の誘いのままに城に入る事になった。 どうせ同じ穢れた世界なら、せめて高みの世界に生きることに興味を持った。 王も感情の抜け落ちたような雰囲気があった。 私と同じく、まるで感情を捨て去ろうとしていたように。 そんな王を利用してやろうしていただけだった。 それだけだった筈なのだが。 今は王を独占したい。 いつの頃からか、曲がった独占欲が私を支配していた。 今は王に心を支配されているようなものかもしれない。 身勝手にも悔しく感じ、首を強めに咬んでみる。
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