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さしずめ私もそれに惹き付けられ、捉えられてしまった罪深き者ということか。
「あ、ああっ……クレイっ、駄目だっ、このままイッてしまうのは嫌だ」
そう言いつつも、自ら腰を揺らしてくる。
「クレイ、もう、いい。お願いだ」
声を抑える事もなく、喘ぎながら、私の名前を呼びながら懇願する姿に満足する。
全て私だけに向けられたものだ。
もう、十分、体の準備は出来てるだろう。
指を抜いてやると艶やかながらも声を漏らし背中をうねらせた。
そして、
「クレイ」
と、息を整えることもしないまま、王は私自身を求める。
「ええ」
返事をすると、嬉しそうに笑い、私を受け入れるように背中に腕をまわしてきた。
分かっている。
王が欲しているものをあてがうと、恍惚の表情で此方を見やってきた。
「はやく来て」
蕩けそうな顔の王に、いつも欲情を隠せなくなる。
「承知しました。淫乱王様」
私も口角が弛み、笑みに変わってしまう。
一番充たされる時だから。
私も王も、求めるままに、ゆっくりと繋がってゆく。
この時の快感は、シンプルで、形容しがたい。
王の艶めいた喘ぎ声。
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