3.好きだって叫ばせて

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中国支社の規模拡大というプレッシャーを背負い、成功すれば昇進が待っているけれど、逆に、頓挫(トンザ)すれば不名誉が残るだけ。 そこにあえて手を挙げるという、匠は本当に怖いもの知らずだ。 同時に考えついた。 わたしは普通で、匠のほうがおかしいということ。 いまも、派手だったという大学時代も、特定のカノジョがいたことがないというのは人を好きになったことがないということで、そんなのは絶対におかしい。 感情が欠けている。 匠が中国に立ったあと、気づいたこともある。 自分を否定したくないためにがんばってきたけれど、それをまったく無意味にするほど、わたしがしていたことは、匠にとって、高校時代の自分のときと同じことをやっているように見えただろう。
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