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2.おまえの好きってなんだ
二年生に進級すると、匠の傍にいたのは、匠の“お兄さんのカノジョ”だとわかって、わたしは後先を考えず告白に走った。
匠たちは体育館の入り口にある階段のところで、いつもたむろしている。
校舎から体育館に通じる、渡り廊下へと曲がる寸前で匠をつかまえた。
「上戸さん、好きなんだけど、わたしと付き合ってくれない?」
先輩ということを無視した不躾(ブシツケ)な告白をどう思ったのか、匠は興味ないと云わんばかりで背を向けた。
「上戸さん!」
「そんな気ない」
振り向いた匠は、ひと言でわたしの告白を退けた。
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