入院

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 入院して一週間ほど経ったある日の事。  件の看護士は何かにつけて部屋に来る。  40代後半。  スタイルはモデル並。  顔が千原せいじでなければ大歓迎なのだが。  その日は、固定された足になんとかパンツを通そうとしていた。  膝下のギプスであれば簡単なのだが、私のギプスは腿まで固定である。届かない。  前日、若い看護士に頼んだが悲鳴を上げられた。仕方なく右足の指でパンツを掴み、ギプスのつま先に引っ掛ける。  フルチンで。  『シャッ』  開かれるカーテン。  見ると、件の看護士が満面の笑みで立っている。  「危ない!パンツを履くなら誰か呼びなさい」  履かせてくれた。  なぜかトム君(仮称)あたりを見つめる看護士。
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