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彩南さんたちの甘さを含んだやり取りから逃げるようにリビングを出て。
小さく息を吐いてから二階へと続く階段を上っていった。
階段を途中まで上がったとき、上から聞こえてきた足音に立ち止まって視線を上げると。
そこには3月まであたしも着ていた中学の制服を着た小柄な女の子が階段を下りようとしていた。
「おはよう、杏奈」
「あ、おはよう、凛ちゃん!」
彩南さんをそのまま幼くした感じの小さくて柔らかそうな可愛い女の子。
肩下までの髪は少しくせっ毛でまるで緩いパーマがかかってるみたいにクルンとカールしてる。
まだ染めたことのないツヤツヤの髪は真っ黒ではなく自然な茶色で柔らかそうで。
階段を降りた繰るたびにフワリと揺れて甘い匂いを放ちそう。
眉辺りで真っ直ぐに切りそろえられた前髪のせいで、大きくてパッチリした瞳が強調されていて
童顔でまだまだあどけなさが残っている彼女、杏奈は中1になったばかり。
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