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「そういうの、まだ早いでしょ」
ほら、また子供扱い。
お兄さんぶっちゃって。
1歳しか違わないのに、いつもそう。
結局、負けるのはいつもあたしで。
しぶしぶ純人の上から降りると。
少し乱れた制服直してから、手ぐしで髪の毛を整える。
「はぁ…つまんない」
純人に聞こえるようにわざとらしく大きな溜息を吐いて。
そんな言葉を吐き出す。
純人の動揺した顔を見てみたい。
その『お兄ちゃん』の仮面を剥いでみたい。
そんなあたしの願望も、今日もまた失敗に終わった。
だけど頭の中では、それも仕方ないのかもと、半分は諦めているところもある。
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