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「リンリンは王子の幼なじみなんでしょ?」
「一応ね」
「美男美女、二人が並ぶとその場の雰囲気が一気に華やぐ感じするわ」
「ふっ、何それ」
「絵になるってコト!」
自信満々に、鼻息フンと荒くして。
キメポーズなのか、左手は腰に当てて右手は人差し指をピンッと立てる。
その人差し指をすかさず握り締めて。
「ほら、電車が来るよ」
そのまま指を引っ張りながら、周りに集まりだした乗車待ちの人混みに紛れ込む。
ゴーッと電車が近づく爆音と、到着を知らせる音楽にアナウンス。
爆風があたしたちの周りを囲い込んで、制服のスカートをバタバタとはためかせた。
鞄を持つ右手で、捲くり上がらないように片手でスカートを押さえながら。
左手で風で舞い上がる髪の毛を押さえて、電車に乗り込む人たちたちの流れに乗って。
満員電車の中へ乗り込んだ。
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