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あの日以来、純人と同じ車両に乗ることはなかった。
ほぼ強制で、今現在はこの女性専用車両に乗ることになって。
ポツンと残されたときの心細さは、今思い出しても嫌だと思う。
あたしのことを心配してのことなのに。
そんな彼の気持ちも知らずに。
純人のこと、意地悪だって思うこともあった。
ただ、あたしを突き放したかっただけなんじゃないかって。
不貞腐れたこともあった。
そんなときに見つけた、あたしと同じようにポツンと一人立っている女の子。
それが夢花だった。
高校に入学する前にこの町に引越ししてきたらしく。
入学当初、知り合いもほとんどいなかった夢花があたしに懐くのに時間はかからなかった。
人見知りすることもない。
猫みたいに気まぐれなところもあるけれど、それもその愛嬌のある笑顔がカバーしてる。
たまに話が噛み合わないこともあるけど。
嘘のつけないその素直な性格が可愛くて。
男女問わず人気が出るのも、そんなに時間がかからなかったけど。
可愛い顔して、来るもの拒まず去るもの追わずなその性格のため。
中には夢花のコトを良く思わない子がいるのも事実。
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